哀愁のヨーロッパを初めて聞いたのは、多分中学生になりたてのころだったと思う。ラジオで。つっても、
フルにオンエアされたのを聞いたわけじゃなくて、出だしの数小節だけだったな。CMの一部だったんだ。
ギアーアンプのCM。
TVでもラジオでも、楽器のCMが流れたってのはあの時代くらいじゃないのかな?TVでは和田アキラや
スティーブ・フォックスを起用したGrecoのCMがよく知られていると思うけど、ここで言うラジオのCMって
のは、ヤマハのギターアンプ、Jシリーズのもの。確か2ヴァージョンあって、一つは Doobies の Long
Train Runnnig、もう一つがこの哀愁のヨーロッパ。「Jシリーズアンプで○○○のサウンドに挑戦!」的な
ナレーションの後に、「ベース6、ミドル4、トレブル3...」って具合にアンプのセッティングを叫ぶという、
今思えば、当時のアマチュア音楽シーンの熱さみたいなものがよくあらわれていたCMだった。
その直後、親父のレコード棚にサンタナのアルバムがあるのを発見!こっそりひっぱり出して聞いてみた
ものの、このアルバム Borboletta はパーカッションを前面に押し出したサウンドで、ぴよぴよの中学生
には相当退屈だった。(当時の親父は、これを大音量で再生して楽しんでいたけれど。)
そんなわけで、ギターサウンドという点からお勧めとなると、上に挙げた Abraxas/Amigos の二枚と Soul
Sacrifice が収録されたファースト・アルバムくらいなんだけど、その辺ならベスト盤聞くのが手っ取り早い
ってことで、STARBOX のベスト盤もお勧めしておきます。これには、後に Doobies がカヴァーすることに
なる One Chain (Don't Make No Prison) のオリジナルも収録されてますので、聞き比べも一興かと。
で、ギターです。「ヨーロッパ」に代表されるように、彼の特徴的なプレイの一つがロングトーンです。
基本的には、フィードバックをコントロールしてあのロングトーンを得ているようですが、元音がフィード
バックのかぶりにのみ込まれたりしないのが凄いところ。もっともそのためには、サスティーンの豊かな
ギターを使う必要があるようで、’70年代のレスポール・カスタムからヤマハのSGと、いわゆる「重たい
ギター」の愛用が続きます。近年PRSのシグネイチャーモデルをメインに使用しているのも、サスティーンを
犠牲にしたくはないけれど、あんまり重いのはさすがに体が...ってことかもしれまへんな。
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