BLACK SABBATH

ヘヴン&ヘル

HEAVEN AND HELL




「え〜っ?!サバスの“この一枚”がこれかよぉ?」という声が聞こえてきそうな...

だって、オジーすきぢゃねえし。(爆)

そりゃ確かに、初期サバスのサウンドや楽曲コンセプトにマッチしたヴォーカリストだとは思うが、一方で、
彼の存在がバンドの音楽性を束縛してしまっていた部分もあったんではないか。そう思うきっかけになった
のが、正にこのアルバムだった。

ロニー・ジェイムス・ディオ(2010年5月他界 享年67歳)といえば、Rainbowの初代ヴォーカリスト。
その容姿や社会活動に対する姿勢(ロニーのHere N’ Aid/スコーピオンズのMake A Difference)等々、
ついクラウス・マイネとオーバーラップしてしまうのだが、この二人、広い声域と安定した歌唱力を持つ
という点も共通しているし、更には抒情的なメロディを歌い上げる力も凄い。その抒情的メロディセンスと
従来のサバスのサウンドが融合して出来上がったこのアルバムが最強だと信じて疑わないのが俺。(爆)

つい先達て、2007年に行われた HEAVEN & HELL(こっちはバンド名ね)のライブを見る機会があったのだが、御歳64歳の
歌声とはとても思えない、素晴らしい歌声を惜しみなく披露していた。

動く彼を始めて目にしたのは、ヤング・ミュージック・ショーのレインボー。元々リッチー目当てに見た番組だったが、より印象に
残ったのは、むしろロニーとコージー・パウエルの方。この二人が共に故人となってしまったことは誠に残念無念。
近年再放送されたこのレインボーのライブは、しっかりデジタル録画され家宝となっている。


これまた有名なエピソードだが、秋山澪(普通はジミヘンなんかと比べるのか?)と同じくサウスポーの
トニー・アイオミ。無名時代、職場で不慣れなプレス作業を強いられたことにより、右手中指/薬指の
先端を失う。今でこそプロが制作した義指を使用しているが、事故の後しばらくは、洗剤の入っていた
プラスティック容器を熱し、自分で整形したものを指先にはめてプレイしていたという。

実際に彼のフレーズを追い、画像で運指を見てみると、やはりこの事故は彼にとって今でもハンディ
キャップになっているように思われる。いわゆる階段上がりのフレーズ、なるべく指と指を開かずに
弾けるフレーズが多いのだ。しかしそれとて、最終的に「彼の音」を築き上げる重要なファクターと
なったわけで、「ハンディキャップは個性」を地で行くようなお話。
「俺、手が小さいから、こういうフレーズ苦手なんだよね。」なんて事は言ってられないね。




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