JOURNEY

エスケイプ フロンティアーズ グレイテスト・ヒッツ



このバンドのピークとなった作品といえば「エスケイプ」と「フロンティアーズ」だというのは、恐らく万人が認める
ところだろうと思うのだけれど、そこに至るまでの経緯をみてみると、ジャーニーってバンドは「人の繋がり」
みたいなものが渦を巻きながら、新しい人間関係を取り込むことでそのピークに到達したバンドという印象を
受ける。実はこれこそが、個人的にTOTOよりもジャーニーが好きな理由だったりするのだけれど。(笑)

これもまた多くの人が認めていることだろうと思うが、始まりのカギとなったのはニール・ショーン。そして
ブレイクの決定打となったのがスティーヴ・ペリー。ニールと言えば、若干17歳でサンタナに参加したことから
「若き天才ギタリストとして脚光を浴びた」ってことになってるけど、実際サンタナに在籍していたの期間は
ほんの一年程度なのな。しかも、他ならぬサンタナ自身が宗教に走っちゃったりしたもんで、バンドは解散。
ところが、このまんまじゃニールの才能がもったいないよ、と考えたH.ハーバートさん(元々サンタナのツアー
クルーだったんだって)がマネージメントをかって出たり、同じく元サンタナのグレッグ・ローリーが参加して
くれたりと周囲がサポートしてくれ、更にはベックやザッパのところでプレイしたエインズレー・ダンパーをも
バンドに迎えてレコード契約をゲト。3枚のアルバムをリリースしたんだけど、「元サンタナ」のしがらみなのか
インスト主体のバンドとなってしまい、しまいにはプログレバンド扱いされて、セールスは低空飛行の連続。
「こりゃぁ どげんかせんといかん」って時にハーバートさんがスティーブ・ペリーを引っ張ってくる。

このペリーさん、実は、自身が所属していたバンド Arien Project でメジャー・デヴュー契約する寸前まで
いったのに、「なんでいま?」ってタイミングで、バンドのベーシストが交通事故で他界。契約はオジャンに
なっちゃったんですと。

仕方ないから農業やります、ってことで実家に帰ってたらしいんだけど、その Arien Project が契約用にと
録音していたデモテープがハーバートさんの手に渡り、ジャーニーに参加することになった。結果論なのは
百も承知だし、亡くなったベーシストには申し訳ないけれど、Arien .. でデヴューしていたら、結局どちらの
バンドも日の目を見ずに消えていたかもしれないわけですなぁ。

で、次の山場が、グレッグ・ローリーの脱退。スティーブが入ってきて、自分が歌う機会が減ったのが面白くなくて
やめちゃったのかな、なんて勝手に思ってたけど、理由は「心労」だそうで。しかもグレッグが自ら後任にと推薦
したのが、当時、既に The Babys (バカ売れはしてなかったけど)でそれなりに成功していたジョナサン・ケイン
だったんだそうでありんす。ジョナサン自身もこの決断には大いに悩んだらしいが、結局 The Babys を脱退して
ジャーニーに参加する。(後年、元 Babys の同僚とBad English を結成してそれなりに成功、埋め合わせもできた
ことだし、結果オーライ?)
バラードの定番 Open Arms は、もともと彼が The Babys のために書いたけどヴォーカルの奴に反対されて
お蔵入りになっちゃった曲だというし、もし彼が参加していなかったら Separate Ways のあのイントロもまた
違ったものになっていたかもしれない。

こういう一連の「運命的な出会い」みたいなものがもたらす効果を、向こうのミュージシャン連中は「ケミストリー」
と表現したりするけれど、シーンに名を残すバンドって「当時は偶然の積み重なりでしかなかったことが、後から
考えると実に必然的なものだった」っていう経緯をたどっていることが多いと思いませんか?

ただ、この点に関しては逆もまた真なりで、スティーブ脱退後に彼抜きでリリースされたアルバムはどれも不振に
終わっている。バドカンもそうだったけど、結局残ったメンバー達も新ヴォーカリストに前任者の歌を求めていた
ということが、聞いていてよくわかる。事実、現在のヴォーカリスト/アーネル・ピネダは、母国フィリピンにて
参加していたローカルバンドでジャーニーの Faithfuly を歌っている様子が Youtube にアップされ、それを偶然
ニール・ショーンが見たのがきっかけとなってバンドに正式加入した。一聴してもらえばわかるが、低音域はそれ
程ではないものの、中高の特定音域では「まさにスティーヴ・ペリーその人では?」というくらいのそっくりさん。
ま、そもそもなんでニールはジャーニー・コピーバンドの動画なんて見てたの?って話でもありますけどね。(笑)

さて、最後にニールのギターについて少し。基本、レスポールのイメージが強いし、Anyway You Want It のPVで
弾いているスーパーカスタムは印象に残るところ。レスポール系のギターにアームっていうイメージもあるよね。
レスポールにフロイド・ローズ、アリアのPEにはケーラー。GrecoのBoogieを使ってたこともあるはず。
Jackson のシグネイチャーモデルなんてのありましたなぁ。
音数を詰め込み過ぎないメロディックなソロを展開することもできるのが、ル○サーとは一味違うところかな。
Wheel In The Sky のPVで着ていた特攻服モドキはいただけないけど。(爆)

ギターあれこれ



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