EAGLES

ファースト ならず者 オン・ザ・ボーダー 呪われた夜 宿・仮不折荷屋 ザ・ロング・ラン


今回はあんまり書きたくないなぁ。なんか嫌なんだよね、このバンド。「嫌い」なんじゃなくて「いや」なの。

なんでも来年(2011年)3月に来日するんだそうだ。そう、ドン・フェルダー抜きでね。最近のステージ・ショットを
見ると、ドン・ヘンリーが「ギター」弾いてやがって。これ見るだけでも相当ムカつく。お前は一体誰やねん?


リンダ・ロンシュタットのバックバンドにと雇われたグレン・フライとドン・へンリー。結局この二人が毎回バンドを
牛耳ろうとして、その度にメンバー間のいざこざが起こった、というのがそのままバンドの歴史みたいなもんで、
アルバムデビューから35年以上を経過しているのに、その間に残したスタジオアルバムは7枚だけ。しかも
再結成後に発表されたスタジオアルバムは1枚だけというのでは、今のバンドはあいつら二人の小遣い稼ぎ用
だと言われても仕方あるまい。ジョーもティモシーも、タイプは違えど、そういうことには無頓着そうだもんね。


最初に切られた(切れた?)男が、第一期に在籍したバーニー・レドン。ストリングベンダー内蔵のテレキャスで
スティールギター風のソロを弾くなど、もろカントリー系のギタリストだったが、それ故、カントリー風バンドから
ハードロック風(?)バンドへの変化を画策したフライ&ヘンリーと衝突、「オン・ザ・ボーダー」を最後に脱退する。
そして二人目が、後任のギタリスト、ドン・フェルダー。彼に至っては、2001年に「クビ」を宣告され、遂にフライと
ヘンリーの二人を訴えるまでになってしまった。

そりゃあ、訴えたくもなるだろう。ドン・フェルダー参加から解散までの間、バンドの収益はメンバー5人に均等に
分配されていたのに、再結成直後の Hell Freezes Over ツアーから得られる収益について、フライ&ヘンリーの
二人は、「自分たちの取り分は他のメンバーより多くあるべきだ」とぶちあげる。(だったら、じぶんたちのソロ曲
なんて演らなきゃ良かったんだよ。「イーグルス」のツアーなんだから。)
更に、4枚組のコンピレーション・アルバム Selected Works 1972 - 1999 の売上について、彼ら二人の取り分を
「他のメンバーの3倍とすることに合意する」といった趣旨の契約書に署名させようとまでしたのだ。
(おまえら、赤い○星かっ!!)

ファーストアルバムの一曲目。メジャー浮上のきっかけとなった Take It Easy は、フライとジャクソン・ブラウンの
ペンによるものだ。(確かに、どっから聞いてもジャクソン・ブラウンのメロディーだよね。)作曲者自身のネーム
ヴァリューは十分だが、仮にこの曲のギター・ソロが普通のロック系のギターソロであってもあれだけのヒットに
なっただろうか?自分はそうは思わない。あのレドンのギターソロによって本当の意味で曲が完成した、と考えている。 まして Hotel California に至っては、フェルダーの貢献度たるや計り知れない。事実、フェルダーの名前が
フライ&ヘンリーの名前とともにこの曲の作者として正式にクレジットされているのだし、アルペジオにリフを練り
込んだイントロの12弦サウンド、曲中随所に聞かれる絶妙のオブリ、そしてジョー・ウォルシュとの共同作業に
よって生まれたロック史に残るギターソロ。もしそれらがフェルダーの貢献によってもたらされていなかったら、
はたしてかの曲は、あれほどのビッグヒットになり得ただろうか?

Burnie Leadon EDS-1275 Don Felder Signature Don Felder

すべてが作詞/作曲者である自分たちの功績であって、売れたのは曲そのものが良かったからだ、アレンジや
演奏は直接関係なかったというのなら、バンドなんかやらずにバックミュージシャンを揃えてソロでやればいい
じゃないか。EAGLES を名乗らず、ソロで稼いだ方が余程儲かるのに、なぜそうしない?

答えはひとつ。「しない」んじゃなくて「できない」んだよ。だからこそ、ジョー&ティモシーと、バンドの過去の名声を
利用して、ミーハー相手に出稼ぎをする。それが来年の日本公演の実態だろう。
そんなもん、頼まれたって見にいかないのである。

イーグルスのサウンドは爽やかなカリフォルニア・サウンド、みたい言われるし、まぁ実際の音もそういう感じは
あるけれども、その裏でバンドの実情はエゴと金銭欲渦巻く醜い世界。そんな風に思ってしまうと、このバンドを
手放しで好きにはなれないのだ。

とは言え、3人の異なるギタリスト(レドン、フェルダー、ウォルシュ)のサウンドは、一聴の価値がある。このことは
間違いない。カントリーなレドン、泥臭くブルージーなウォルシュ、洗練されたフェルダー。ジョー加入後の二作では
二人のギタリストにより、ギターアレンジの幅が広がっていて、いいお手本になる。
ベスト盤でもいいけれど、是非、'70年代のオリジナルアルバムを通しで聞いて頂きたい。



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