Les Paul Standard PT/CS


LPST/PTCS

これもオークションで購入。シリアルからして1989年製と思われたし、画像を見ればPUが
HB−L/Rであろうことは予想できたので、それを承知の上で落札。お値段43,500円也。
定番中の定番、プレーンなチェリーサンバーストは、地味だが外せない仕様の一本。
コンディションは新品同様、下手な店頭在庫よりきれいなんじゃないかというくらいであったが
実はこれが曲者だった。受領当日、早速試し弾きしてみるとリアPUだけ音が出ない。なんで?

取り急ぎ情況を出品者に連絡するが、「出品するまで、問題はなかった」との返事。そうは
言っても現実に音が出ないんだからしょうがない。コイル内部で断線していたら厄介だな、
などと思いつつ、出品者に許可を得た上でリアPUを外してみると、PUキャビティ一杯に
「スポンジ」が詰まっている。そう、あの黄色いスポンジだ。それもPUを押し上げん程の
厚みのものが。(「PUの共振を防ぐためにスポンジで固定する」ってのは、なにやら業界
定番の一つらしいが、あたしゃ未だかつてその「共振」というやつが気になったことすらない。)

「なんじゃこりゃ」と思いつつ、兎に角PUをエスカッションからはずし、ドライバーでPUカバーを
コツコツしてみると、アンプからはちゃんと反応がある。断線はしていないようだ。おかしいな。

仕方なくPUを元に戻したが、この時、例のスポンジは外しておいた。上述のとおり、自分には
その必要性が全く認められなかったからである。

ところが、全てを元に戻しもう一度弾いてみると。あれ?ちゃんとリアも鳴るじゃん。どゆこと?

そこでふと目に留まったのがかのスポンジである。そういえば、問題のなかったフロントPUに
スポンジは入っていなかった。しかしなぜスポンジが?どう影響したというのだ?

繰り返しになるが、本機に搭載のPUはGibsonのHB−L/Rだ。マウントの裏側が配線基板
のようになっていて、実際そこからポットへ配線されている。半田付け部分は剥き出しだ。一方、
普通のスポンジとはいえそれが絶縁体であることにかわりはない。なんのこたぁ無い。
スポンジが配線に干渉して電気信号がちゃんと流れていなかったというわけ。

出品者に問題解決の連絡を入れる際、なぜスポンジを入れたのかと聞いてみたら、このギター
購入の際、購入先の楽器屋さんに勧められたので作業してもらったんだそう。「なんでお勧め
だったかは忘れましたが、ちゃんとプロがやってくれたんです!」みたいな文調だったことを
考えると、どうやらこの出品者さん、初心者で且つ途中挫折組だったようだ。ろくに弾かない
うちに挫折しちゃって、自分のギターに何が起こっているかを実は理解できていないままに、
「もう弾かないし売っちゃおうか」ってな感じ。

なるほど、目立つ傷一つない新同品コンディションなのはそういうわけかいな。


ボディ:メイプルトップ/マホガニーバック
ネック:マホガニー
指 板 :ローズ
購入年月:2002年10月


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