つうか、これしかないんじゃないですかい? この人の場合。
これじゃ当たり前すぎるのは百も承知。セールスがすべてとも思っていないけれど、この人の場合は
これで止むを得ないのでは?「全曲シングルカット!」とまではいかないにしても、確かに、捨て曲は
少ない。しかもその捨て曲がアルバムの最後の二曲なら、つい最後まで聴いちゃうもんね。
ただ、このアルバム大ヒットの予兆とでもいうべきか、前作の Cuts Like A Knife がなかなかの秀作
だったことも事実。Straight From The Heart、Cuts Like A Knife と続いた後の This Time あたりから
日本でも注目度が高まったように記憶している。
そして勿論、Reckless の大ヒットに乗っかって、次作 Into The Fire にも佳曲はあった(奇しくもアルバム
最初の二曲)が、やはり勢いがちがう。1996年に発表された 18 Till I Die からの The Only Thing That
Looks Good On Me Is You (なげぇタイトルだなっ、おいっ!!)なんかは個人的にも好きだったが、
この曲も母国カナダでこそ#1になったものの、USチャートでは最高52位に留まってしまった。
彼の曲がどこうというより、時代が彼の曲を求めなくなっただけという気もするけれど、その後に発表
された4枚のアルバムも、残念ながらそれほど大きく取りざたされてはいない。(今年2010年、新譜
が出たの知ってました?わしゃ、ぜ〜んぜん知らんかった。)ツアーの効果か、欧州では今もそこそこ
の人気らしいですけど。
さて、ギターサウンドの話にいきましょうか。彼のバンドにはキース・スコットというギタリストがいて
1970年代の後半にメンバーとなって以来、ず〜っとレコーディング/ツアーに参加してんだそうです。
この人のプレイ、特に花があるとかすんごいテク!とかっていうんではないんだけれど、なんというか
メロディーでツボを突いてくる感じ?記録より記憶に残るタイプのプレーヤーとでも言いましょうか。
エディやマーティ・フリードマンあたりが、彼を好きなギタリスト/お手本ギタリストに挙げていると
いうことからも、なかなかあなどれないということがお察しいただけると思います。
一方のアダムス本人。音/フレーズともキースに似た部分が多く(意図的なのかどうかは?だけど)
普通の「ギター弾ける人」って感じもありますが、なんでもアマチュアの頃は結構なリッチーフリーク
(サンボラじゃなくてブラックモアの方ね)だったそうで、なるほど、それでメイプル指板のストラトを
愛用してたのかな?
蛇足ながら、アルバムタイトル曲 Run To You エンディング突入部で聴かれるコード・カッティングは、
揺れ物系エファクター使用のお手本みたいな音。是非一度お試しあれ。
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