THE BEATLES

青赤ニコイチ盤 パスト・マスターズ

On Your Left
The Beatles 1962 - 1970

On Your Right
Past Masters



いい時代になったもんである。赤盤/青盤としてそれぞれ2枚組でリリースされていた物が4枚組の1セットに、
パート1&2に分かれていたパスト・マスターズも1セットになってそれぞれ発売されているのだから。

さすがにこのクラスになれば、「まずベスト盤を聞いてごらん」というお得意のアドバイスも納得していただける
のではないだろうか。1962年のレコードデビューから1970年の解散まで、その活動期間は8年と決して長く
はないが、その中で彼らのサウンドは三期に仕分けることが可能で、その時々における音的変化はかなりの
ものだ。初期の、いかにもロケンロー小僧然としたサウンド、全てにおいて絶好調だった中期のポップロック
サウンド、そしてスタジオ制作/実験的技法に重きを置いた後期のサウンドと、元々同じ一つのバンドとは、
にわかに信じがたい程の違いがある。その内のどれかだけを聴いて「ああ、なんか違うな」と思われてしまう
ようなことになったら、もったいないにも程があるというものだ。ひいては、その変化を簡潔に聴いて取れる
という意味で、この手の盤の存在はありがたいと思うのだが。

演奏面では、「ジョージのギターはヘタウマだ」とか、「ポールのベースはメロディアスでベースギターの概念を超えている」とか言われる
ようだけれど、特に中期までの彼らの音で一番の肝になっているのは、実はリズムギターじゃないだろうか?それもプレスリーが弾いた
アコギのような「ジャカジャカ」ギター。ジョンが手にしていたJ−160Eが、ある種その象徴といってもいいかもしれないが、あのジャカ
ジャカが背骨となって曲を支えているように思えて仕方ない。

もう一つはイントロのリフ。サビ部分の歌メロをいきなりイントロに持ってくる事が少なくないので、ギターのリフで始まる曲はそれ程多くは
ないが、Paperback Writer / Day Tripper / I Feel Fine / Ticket To Ride / Here Comes The Sun 等、どのリフも秀逸だ。
その他、リッケンバッカー12弦の使い方にも注目したいところ。


HELP!

- HELP! -

オリジナルアルバムの中で一番好きなのがこれ。
新規スタジオ録音となるアナログB面(CDでは8曲目以降)はさすがにだるさも
感じるものの、同名主演映画のサントラ盤であるA面は正に捨て曲なし。
でもなぜか、ラス前に収められたかの曲「イェスタデイ」いついては、コメントする
気になれない。勿論素晴らしい曲なんだけれど、解散後に遡ってファンになった
自分には、なにか暗い影が感じられるのだ。


今となっては叶わぬ夢であろうが、出来ることならこの映画 「HELP!」、日本語吹き替え版をもう一度
見てみたい。そう、広川太一郎さんがジョンのアテレコをやった、アレだ。もちろん、オリジナル直訳とは
大きく異なる日本語のセリフも多いのだろうが、あれはあれで秀逸だった。(1970年代後半には、年に
一度はテレビ放映されていたような記憶がある。)同じく氏の吹き替えによる「RUTLES」も、英語版を
入手して見はしたものの、やはりTV初放映時のような面白さはなかった。

ルパンとハリー・キャラハンはやっぱり山田康雄さんぢゃないとね、ってことか。(笑)


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