AMERICA

ベスト アメリカの軌跡

HISTORY - America's Greatest Hits -
「アメリカの軌跡」



又ベスト盤。(爆)
現在では、未発表曲を含む22曲収録の再編集ベスト盤も発売されているので、コストパフォーマンス
という意味では寧ろそちらをお勧めすべきかもしれないが、なにせこの初ベスト盤、入手が容易だ。
大抵のレンタル屋さんに置いてあるし、ともすると公立の図書館などにまで置いてあったりする。
「買わなくても聞くことができる」というメリットから、今回は此方をお勧めすることとしたい。

もう一つ言えば、22曲入り最新ベストにはDan Peek 脱退後の楽曲も収録されている。
デュオになってからの作品は、俗に Capital years(キャピタルレコード時代)と別途称されるように
トリオ時代の彼らの楽曲とは趣を異にするものも少なくない。外部ソングライターの導入、バックバンド
メンバーの脱退、スタジオミュージシャンのレコーディング起用(よりによってスティーブ・ルカサーって
のはどうなのよ?)、プロデューサーの交代と試行錯誤が続き、事実、1982年リリースのアルバム
“View From The Ground”以外は、商業的にも成功を収めたとは言い難い状況が続いた。
売れた曲だけ聞けばいいなどと言う気は毛頭ないが、どうせなら一口目には一番美味しいところを
食べてもらった方が、後が続くというものだ。


ロンドン駐留米軍で働いていたアメリカ人を父に、イギリス人を母に生まれた彼等は、望郷の念と
まだ見ぬ故郷への思いを込めて(幼少期に何度か里帰りをしたメンバーもいたようだが)バンドを
アメリカと名付ける。このユニークな生い立ちが彼らの音楽に大きく寄与したであろうことは疑い
ようがなく、アメリカンフォーク調の曲にブリティッシュフォークのお箱である豊かなコーラスワーク、
時にはフォークロック調のアレンジを施したりといったこの米英折衷スタイルが、結果的に西海岸
テイストを増幅させているのかもしれない。(青は藍より出でて、である。)

ギタリスト諸兄にはやはり、アコースティックギターで奏でられる印象的なリフに注耳(笑)して
いただきたいと思う。代表的ヒットとなった Ventura Highway、Sister Golden Hair、
Horse with No Name といった曲では、いずれもツボを押さえたコーラスワークと、一度
耳にしたら忘れられない、イントロのアコースティックギター・リフが共通項だ。また、Horse
With No Name 間奏の12弦ギターソロなども、楽器の特徴を上手く生かしていて秀逸。
オーバードライブした激しいリフやソロだけが全てではない、と思わせてくれる。



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