Les Paul Standard 59R HD


LPS 59R HD

「いやぁ、私クラスになるとね、中には印象が薄くてコメントできないギターなんてのもあるんですよ。(笑)」
と言ったかどうだか知らないが、やばいな。このギターについては、いつも以上にエピソードが浮かんでこない。

1995年製のこのモデルは、ある意味で Orville by Gibson Les Paul の完成形と言えるだろう。
PUは57クラシック、FEBにDJとなれば、更に何かやるとすればラッカー塗装くらい(自分は興味ないが)
のものだ。ネックにもスカーフジョイントは認められないし、コピー度はシリーズトップだろう。
ところが不思議なことに、なぜか自分は今一つ馴染めないのだ。

Orville by Gibson の1994年版カタログは、翌1995版ほどではないにしろ、1992/1993年版とはだいぶ
趣が異なる。表/裏表紙にはプロトタイプと思わしきギターが掲載され、ページレイアウトや色イメージも大きく
変わった。同様にギターそのものもかなり変わった、という印象を受ける。それも、寺田かフジゲンか、といった
類の違いではなくて、楽器から受ける印象そのものが全く違うのだ。

ボディの色味、ということもあろう。しかし外見上で自分が一番気になる点は指板の色だ。平行で入ってきたかと
思われる同時期の本家ヒスコレにもよく見られた、妙に薄い茶色、しかも黒い筋が入っていたりするローズ(?)。
近くに寄って見ると、まるで導管のような小さな穴がいくつもあいている。グレコや初期ObGでは馴染みのない
特異なルックスの材で、自分にはどうもこれがしっくりこない。

もう一つ、楽器全体から受けるトータルな印象として、どうにも「硬い」のである。1970年代後半のグレコ等で
特に顕著に感じられた「木でできた楽器の柔らかさ」みたいなものが感じられず、「かっちりしすぎた冷たさ」の
ようなものが感じられるのだ。相当大げさに言えば、手工芸品と工業製品のような違いにも通ずるものがある。

はたしてこの硬さ、使い込んでいくことでこなれていくのだろうか?
現在検証中、と言いたいところだが、実はあんまり弾いてません。(爆)



ボディ:メイプルトップ/マホガニーバック
ネック:マホガニー
指 板 :ローズ
購入年月:2003年2月



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